研究課題/領域番号 |
19K07525
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
矢幡 一英 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 准教授 (40467965)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | マラリア / メロゾイト / 滑走運動 / 赤血球侵入 |
研究実績の概要 |
マラリアの病原体であるマラリア原虫は、宿主赤血球に感染して致死的な病原性を示すため、赤血球感染を阻害することで原虫増殖を防ぎ、病状を抑えることができる。本研究は申請者が最近発見した、赤血球侵入期のマラリア原虫の「滑走運動」に着目し、マラリア原虫メロゾイトの滑走運動および赤血球接着時における赤血球変形の動きの背景にある分子機序を明らかにするとともに、滑走運動に対する阻害剤を見つけることで、マラリア克服のための新たな標的とシーズを創出する。マラリア原虫は赤血球に侵入する際に、初期接着と呼ばれる赤血球膜の変形を引き起こし、この際に原虫分子が宿主分子と相互作用することで、赤血球侵入のための原虫分子の活性化が起こると考えられている。本研究では、初期接着に関わるメロゾイト滑走運動の活性化機序と滑走運動・赤血球変形に関わる原虫分子と赤血球分子の同定、滑走運動のシグナル伝達機序の解明、および、新規阻害剤の同定を目的とする。本年度は以下の研究成果が得られた。 1. メロゾイト滑走運動の滑走運動は各種阻害剤の結果から、原虫内のホスホリパーゼC(PLC)-ジアシルグリセロール(DAG)-ホスファチジン酸(PA)からなる経路とPLC-カルシウムシグナル伝達経路によって制御されていることが示唆された。更にマラリア原虫の赤血球侵入を阻害するアジスロマイシンが滑走運動に影響している可能性があることを見出した。 2. 広視野カメラ導入により従来と比べ滑走運動の解析処理能力を4倍に増やすことができた。 3. 熱帯熱マラリア原虫の赤血球侵入現象に滑走運動が関わっていることを世界で初めて発見した事例としてPNAS誌に報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究により発見した、マラリア原虫メロゾイトの滑走運動をPNAS誌で発表するための追加実験と年度途中に所属が変わったことで研究環境を新たに整えねばならず、計画していたスクリーニングシステムの条件検討に時間が掛かっている。
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今後の研究の推進方策 |
所属が変わったため、これまでの研究が速やかに行えるように研究環境を整え、原虫の移動等を含め速やかに行なうことで研究を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度途中で所属変更があり研究が遅れたため、次年度に繰り越して当該の研究を遂行する。
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