研究課題
基盤研究(C)
腸炎の発症に関与するクレブシエラ菌の腸内への定着阻害に関与する腸内細菌種をヒト健常者由来の便を用いてスクリーニングを行い、最終的に18菌株の細菌株セットがクレブシエラ菌の腸内定着阻害に寄与していることを突き止め、さらに18菌株が腸管炎症の抑制に関与していることを明らかにした。また、18菌株によるクレブシエラ菌の定着阻害は様々なメカニズムが想定されるが、細菌代謝産物や栄養競合により作用していることが示唆された。
腸内細菌学
炎症性腸疾患はまだ根治療法が開発されておらず、治療薬の開発が急務である疾患の一つである。発症要因の一つに腸内細菌の異常が挙げられており、便移植等による治療法も検討されているが優れた治療効果は得られていない。本研究では、炎症性腸疾患の発症に関与しているクレブシエラ菌を腸内から排除するヒト健常者由来の18菌株を同定することに成功した。そこで、この18菌株を用いた、炎症性腸疾患に対する新たな治療薬や予防法の開発につながることが期待される。