研究課題/領域番号 |
19K07571
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
小泉 信夫 国立感染症研究所, 細菌第一部, 主任研究官 (10333361)
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研究分担者 |
中村 修一 東北大学, 工学研究科, 助教 (90580308)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | レプトスピラ / 持続感染 |
研究実績の概要 |
人獣共通感染症であるレプトスピラ症の病原体レプトスピラは,ラットなどの宿主動物の 腎臓に持続感染することができるが,持続感染に必須のレプトスピラ遺伝子はほとんど明らかになっていない.本研究では,レプトスピラのトランスポゾン挿入変異体ライブラリーの感染実験を行い,腎臓に定着できない変異体を網羅的に取得することにより,レプトスピラの宿主持続感染機構を総合的に解明することを目的とする. レプトスピラ血清型Manilaeのトランスポゾン挿入株を96ウエルプレート(2 mLウエル)で個別に培養し,96株をまとめて約10^8細胞(各株約10^6細胞)をラットWKAH/Hkmメス6週齢に腹腔内接種し,21日後に腎臓を回収し培養を行った.接種前培養液(インプット)および腎臓培養液(アウトプット)からDNA抽出を行い,PCRによりトランスポゾン挿入近傍のDNAライブラリーを作製し,MiSeqによりDNAシーケンスを行った.変異株ライブラリー15プレート(変異体約1500株)の感染実験を行った結果,インプットに対するアウトプット比が10%以下となったDNA配列を129同定することができた.これらDNA配列に特異的なプライマーを設計し,トランスポゾンプライマーとPCRを行うことで,変異体ライブラリーからアウトプットで減少した129株を同定した.これら変異株を96ウエルプレート2枚で個別に培養して,上記と同様にラットへの感染実験により2次スクリーニングを行った.現在得られたデータの解析を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
目的とするトランスポゾン挿入変異体の同定に時間を要したこと,またフリーズストックした変異体の増殖が悪く,接種源の調製に時間を要した.
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今後の研究の推進方策 |
2次スクリーニングで得られた変異体をを用いてin vitroの実験を行い,宿主持続感染に必須のレプトスピラ遺伝子およびその機能を明らかにする.
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次年度使用額が生じた理由 |
2次スクリーニングまでに時間を要してしまったため,予定していた試薬等の購入ができなかったため.また一部は年度末納品等にかかる支払いが令和3年4月1日以降となったため,当該支出分については次年度の実支出額に計上予定.
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