先天性サイトメガロウイルス(CMV)感染は出生児の0.2-1%の頻度で起り、感染児の3割程度に神経学的障害などの疾病を起すため、私達は小動物で唯一先天性感染を起すモルモットCMVを用いて、発症機序とワクチン開発に関わる研究を実施した。a) 抗体依存性貪食などの免疫学的指標測定系の確立、b) 免疫回避機能としてモルモットCMVがコードするFcγ受容体ホモログやBAXやBAKによるアポトーシス誘導の阻害に関わる遺伝子産物などの同定と機能解析、3) モルモット胎盤から樹立した栄養膜細胞株への感染に伴うVEGF-AやIL-10発現の変化の同定などを行った。
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