研究課題
基盤研究(C)
B型肝炎ウイルスのDNAが、肝細胞のゲノムに挿入されるゲノム挿入現象は、発がん機構を理解する上で重要な現象だが、解析が難しく、これまで手軽な検出方法がないことが課題であった。そこで本研究では、手軽にできる検出方法の開発を目指した。B型肝炎ウイルスゲノムの挿入部位が、既に明らかな培養細胞を試験サンプルとして用いて、試験的解析をしたところ、本研究で開発した新規手法が、既存の方法と遜色なく、しかもより効率的にウイルスゲノム挿入が検出できることがわかった。
ウイルス学
現在、B型肝炎の基礎研究では、ウイルス学的な研究や抗ウイルス剤探索などの研究報告は多い。一方、B型肝炎がどのように発癌を誘導するかについては、王道的テーマではあるものの、この十年大きな進展を見たとは言えない状況である。その一つの原因が、ウイルス発癌の中心的分子機構であるウイルスゲノム挿入現象の解析がなかなか進まないからである。本研究は、ゲノム挿入現象の検出方法の開発研究で、結果、新規手法により、手軽にウイルスゲノム挿入が検出できることがわかった。