HIVGKOを感染させたJurkat T細胞モデルを用いて潜伏感染細胞の遺伝子発現プロファイルをCAGE法により解析した。非感染細胞と比較し潜伏感染細胞で31種の遺伝子発現が低下したが、遺伝子発現が増加した遺伝子は認めなかった。非感染細胞でSPP1とAPOEの発現が増加しており、shRNAを用いてこれらの遺伝子がHIV感染を抑制することを示した。さらにmTOR経路の活性化が低い細胞で潜伏感染が多いことを発見した。以上より潜伏感染細胞の遺伝子発現は非感染細胞と差がないことが明らかとなり、感染する細胞の遺伝子発現の状態が感染後のウイルス転写に影響を与えることが示された。
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