研究課題/領域番号 |
19K07610
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
関根 英治 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40363759)
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研究分担者 |
町田 豪 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80583632)
林 学 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (80745787)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | MASP-3 / レクチン経路の糖鎖認識分子 / 補体活性化 / セリンプロテアーゼ |
研究実績の概要 |
我々はこれまでにセリンプロテアーゼのMASP-3が、補体第二経路の活性化に必須の補体因子であることを明らかにしてきた。また、生体内においてMASP-3は活性化型の補体因子として存在し、MASP-3のスプライシングバリアントであるMASP-1と同様に、レクチン経路の糖鎖認識分子(MBL-A,MBL-C,ficolin-A,ficolin-B,CL-K1,CL-L1)と複合体を形成することを明らかにしてきた。本研究では、生体内でMASP-3の活性化に作用するレクチン経路の糖鎖認識分子を同定し、MASP-3の活性化機構を明らかにすることを目的とする。 平成31年・令和元年度は、レクチン経路の糖鎖認識分子MBL-A/MBL-C二重ノックアウトマウス、および、二重ficolin-A/ficolin-Bノックアウトマウスの血清中のMASP-3の活性化の有無を解析した。また、CL-K1およびCL-L1のノックアウトマウスの作成を行った。また、リコンビナントマウスMASP-3を用いた活性化機構の解明実験のため、肝細胞cDNAからMASP-3遺伝子をPCRクローニングし、PA-Tag付加の発現ベクターに組換え、形質転換したCHO細胞培養上清から抗PA抗体カラムでMASP-3蛋白を精製した。 その結果、それらのレクチン経路の認識分子を欠損するいずれのマウスにおいても、血清中のMASP-3は活性化型であることが判明した。また、CL-L1のノックアウトマウスの作成が完了し、現在ホモ接合体を得るために交配中である。また、リコンビナントマウスMASP-3蛋白の純度と精度をウエスタンブロット法と質量分析法で確認した。 以上の結果から、生体内におけるMASP-3の活性化において、それらのレクチン経路の認識分子は必須でないことが明らかになった。また、リコンビナントマウスMASP-3の作成を完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記載されているように、レクチン経路の糖鎖認識分子(MBL-A,MBL-C,ficolin-A,ficolin-B,CL-K1,CL-L1)欠損マウスのうち、MBL-A,MBL-C,ficolin-A,ficolin-Bノックアウトマウスの血清中のMASP-3の解析が完了し、それらの糖鎖認識分子はMASP-3の活性化に必須でないことが判明した。 また、in vitroでの構築実験のためのリコンビナントマウスMASP-3の作成が完了した。
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今後の研究の推進方策 |
CL-L1ノックアウトマウスの血清中におけるMASP-3の活性化の有無を解析する。また、CL-K1ノックアウトマウスの作成を完了し、CL-L1またはCL-K1がMASP-3の活性化に必須のレクチン経路の糖鎖認識分子であるかどうかを明らかにする。 また、CL-K1とCL-L1のリコンビナントタンパクを作成し、すでに作成したリコンビナントマウスMASP-3と複合体を形成させ、糖鎖(フコース)と反応させることにより、MASP-3の活性化に関与する糖鎖認識分子の同定を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験の繁殖計画が、施設の改修・増設工事に伴い一部達成できていない。令和2年度において、工事が終了した時点での必要な飼育経費に令和元年度分を合算し、研究遂行する。
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