食べ物が消化管を介して吸収された場合は経口免疫寛容が誘導され、皮膚を介して侵入した場合はアレルギーが生じるという仮説が提唱されている。加水分解小麦含有の洗顔石鹸の使用よって小麦アレルギーが生じた事例は、その仮説を支持するものであったが、獲得した経口免疫寛容を破たんさせ食物アレルギーを発症させるマウスモデルは報告されていなかった。今回の研究において、皮内注射による感作が経口免疫寛容を安定的に破たんさせられることが示された。このモデルの詳細を解析することで、皮膚を介した暴露が食物アレルギーを起こしやすい理由や、食べた物がアレルギーの対象として認識される根本的な原因の解明につながると考えられる。
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