腸管粘膜に豊富に存在するTGF-βはIgAとIgG2bへのアイソタイプクラススイッチに必須であるが、パイエル板ではIgA、盲腸リンパ節ではIgG2bへのクラススイッチが優位に誘導され、部位ごとにTGF-β依存性クラススイッチの方向性が異なることを見出した。またこの結果と相関するように、IgA生産誘導に特化した樹状細胞サブセットはパイエル板で優位であり、同サブセットの分化誘導を促す因子Xの生産量もパイエル板で高いことが判明した。ゆえに、同クラススイッチの方向性の違いは、樹状細胞の分化誘導を制御する微小環境に依存する可能性が示唆された。
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