研究課題/領域番号 |
19K07618
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
疋田 正喜 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (60228715)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | B細胞 / 記憶B細胞 / BCR / アポトーシス |
研究実績の概要 |
本年度に計画していた研究項目のうち、BCRシグナル関連分子群の活性化状態をParm1 KOと野生型A20細胞で比較することに成功した。その結果、当初の期待どおり、Parm1 KO細胞においては、シグナル分子群のリン酸化が亢進しており、この結果はParm1のITIMモチーフがBCRのシグナル制御を行っていることを示していると考えられる。BCR依存性のカルシウム応答についても検討を加えた結果、シグナル分子群のリン酸化の亢進を反映して、Parm1 KO A20細胞においてカルシウム流入の亢進が確認された。ことことからもPArm1 がBCRシグナルの制御に関与していることは明らかであると考えられる。 また、各種bcl2ファミリー分子の発現レベルをParm1 KOと野生型A20細胞で比較した結果、BCR架橋により、少なくともBimの発現量がParm1 KO細胞で野生型A20細胞において亢進していることが明らかとなった。これらの結果は、Parm1がIgG陽性B細胞におけるAICDを抑制していることを強く示唆している。 さらに、C57Bl/6背景のParm1 KOマウスのNZBマウスへの戻し交配を順調に進めることができたため、次年度より、樹立したNZB背景のParm1 KOマウスにおける自己免疫疾患の発症状況を継時的に観察できる環境が整いつつあり、予定どおりに進捗していると考えられる。加えて、コンディショナルBim KOマウスを入手したことから、当該マウスのParm1 KOマウスとの交配も開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画の、細胞株を用いるシグナル経路の解析は順調に進んでいる。それらに加えて、非常に長い時間が必要となる、NZBマウスへの戻し交配も順調に進んでいることから、現在までの進捗状況は概ね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
これまで、当初計画を順調に進めていることから、今後も当初計画を着実に遂行することで、成果を挙げることを目指す。それらに加えて、コンディショナルBimノックアウトマウスを入手したことから、そのマウスとParm1 KOマウスの交配を行うことで、Parm1に依存したAICDの制御へのBimの関与をin vivoで検証するシステムの構築を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
従来、来年度に実施を計画していたアポトーシス関連分子群の活性化状況の検討を本年度に繰り上げて実施したことに加えて、NZBマウスへの戻し交配が順調に進んだため、マウスの飼育費用が当初計画よりもかさんだことが前倒し支払請求を行った主な理由である。特にマウスの飼育費用については、途中で予算が足りなくなることがあってはならないものであるので、最大、交配が成功した場合に生まれるマウスの数に応じて前倒し申請を行った。しかし、実際には、常に交配が最短期間で進められるとは限らず、結果的に次年度使用額が発生したが、これらの金額は元来、使用する予定であったものを順調に実験が進んだため前倒し申請しただけであるので、当初計画から使用計画を変更する必要はないと考えられる。
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