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2020 年度 実施状況報告書

IgG陽性記憶B細胞の新規な選択機構と制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K07618
研究機関秋田大学

研究代表者

疋田 正喜  秋田大学, 理工学研究科, 教授 (60228715)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードB細胞 / 自己免疫疾患 / 記憶B細胞 / dsDNA
研究実績の概要

今年度は、抗Parm1モノクローナル抗体の樹立を試みるとともに、抗dsDNA抗体を産生する脾臓B細胞をフローサイトメーターにて検出する方法の開発を行った。その結果、1クローンのParm1細胞質外領域を認識する抗体を産生するハイブリドーマを樹立することに成功した。また、NZBマウスの脾臓B細胞を用いることにより、dsDNAを抗原として認識する各IgGアイソフォームをBCRとして発現しているB細胞をフローサイトメーターで検出し、単離が可能となる方法の開発に成功した。具体的には、市販のELISA用dsDNAを用いてB細胞を選別することで、dsDNAを抗原として認識するB細胞の高感度な識別に成功した。このことから、タンパク性のT細胞依存性抗原を免疫することで活性化・増殖する外来性の抗原に応答する正常なB細胞と自己応答性の疾患の発症に関与していると考えられるB細胞を選択的に解析することが可能となった。これまで、簡便な方法でこのような識別ができる方法は、ほとんど報告されていないことから、今回の発見は自己免疫疾患の解析方法に非常に重要な影響を与える大きな発見・開発であると考えられる。
最終年度では、初年度のParm1によりシグナル分子群の活性化制御機構にもとづき、さらに、今年度の研究成果である解析方法を利用することで、外来性抗原に反応して活性化する正常なB細胞と自己反応性B細胞におけるParm1の発現量や役割の違いを比較することで、Parm1が自己免疫疾患において果たしている役割を明らかにすることを試みる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画で立案したParm1ノックアウト細胞によるシグナル解析は初年度に概ね順調に解析を実施することができた。さらに、今年度は、独自な抗Parm1モノクローナル抗体の樹立に成功し、かつ、世界的にも報告例がほとんどない自己応答性B細胞の識別方法を開発できたことから、最終年度に計画していたSLE病態にParm1が与える影響についての解析が実施可能となったことから、概ね計画どおりに順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

今後は、当初の計画どおり、Parm1が抗原受容体シグナルにどのような影響を与えているのかを明らかにするとともに、作製した抗Parm1抗体を利用して、自己反応性B細胞におけるParm1の発現と外来性抗原応答性のB細胞におけるParm1の発現の違いについて、より詳細な解析を加えていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス拡大により年度末に納期の間に合わない試薬が出てしまい、次年度使用額が発生したが研究の進捗に大きな影響を与えるものではないことから、最終年度は当初の計画どおりに勧めることとする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [国際共同研究] University of Alabama at Birmingham(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      University of Alabama at Birmingham
  • [雑誌論文] Bim establishes the B-cell repertoire from early to late in the immune response2020

    • 著者名/発表者名
      Sugimoto-Ishige Akiko、Harada Michishige、Tanaka Miho、Terooatea Tommy、Adachi Yu、Takahashi Yoshimasa、Tanaka Takashi、Burrows Peter D、Hikida Masaki、Takemori Toshitada
    • 雑誌名

      International Immunology

      巻: 33 ページ: 79~90

    • DOI

      10.1093/intimm/dxaa060

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2021-12-27  

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