マダニは重篤な感染症を引き起こす病原体を媒介するベクターとして知られる。マダニに2回以上感染したことのある動物はマダニ吸血に対する免疫を獲得し、この病原体伝播も減少させることが知られている。これまでの解析により、マダニ(Haemaphysalis longicornis)に対する免疫獲得には好塩基球とマスト細胞が必須であると判明しているが、マスト細胞の役割は全く分かっていなかった。本研究の解析から、マスト細胞は補体C5aの活性化に関与することで、マダニ感染皮膚周辺に浸潤する好塩基球の動態をコントロールし、吸血局所に好塩基球を集積させる役割を持つ可能性が示唆された。
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