研究課題/領域番号 |
19K07625
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
佐古田 幸美 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (30629754)
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研究分担者 |
玉田 耕治 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00615841)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | キメラ抗原受容体 / がん免疫 |
研究実績の概要 |
悪性中皮腫に対する次世代型CAR-T細胞を用いた治療法の開発のため、まずCAR遺伝子非導入細胞に対して「従来型」のCAR-TとIL-7とCCL-19を産生する「7x19」CAR-Tのin vitro共培養試験にてkilling活性を評価したところ、mesothelin陽性のACC-MESO1-GFP-Luc腫瘍細胞に対していずれも細胞傷害活性および培養上清中の優位に高いIFNgの産生を認めた。in vitroにおいては「従来型」と「7x19」CAR-Tの効果には明らかな差は認めなかった。mesothelin陰性のNCI-H28腫瘍細胞に対してはいずれも細胞傷害活性やIFNgの産生を認めなかったことから、いずれのCAR-T細胞の抗腫瘍効果はmesothelin特異的であることが示された。また、今後in vivoでの「従来型」と「7x19」CAR-T細胞の抗腫瘍効果を検討するため、免疫不全マウスを用いたACC-MESO1-GFP-Luc腫瘍細胞の胸腔内接種をしたところ、生着が確認できたため、今後悪性中皮腫モデルとして使用する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りin vitroでの「7x19」CAR-T細胞の抗腫瘍活性の評価を完了し、また今後のvivo評価のためのマウスモデルも作製できたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、vivoにおける「7x19」CAR-T細胞の抗腫瘍効果を検討する。まずは作製した免疫不全マウスを用いたACC-MESO1-GFP-Luc腫瘍細胞の胸腔内接種モデルを用いて、非治療群や通常のCAR-T細胞と比較し、「7x19」CAR-T細胞により腫瘍縮小効果を誘導できるか評価する。また、よりヒト臨床に近いモデルとして利用するため、腫瘍細胞株ではなくがん腫瘍片を用いたPDXモデルの確立を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ予定通り使用したもののわずかに差額が生じた。次年度の物品費に使用する予定である。
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