研究課題
基盤研究(C)
免疫老化は、加齢特異的に蓄積するメモリーT細胞(加齢関連T細胞)を介した獲得免疫の機能異常が関与している。本研究では、タンパク質ユビキチン修飾系による加齢関連T細胞発生の制御機構の解明を目指した。ユビキチン関連因子の発現ライブラリーを用いたin vivoスクリーニングを実施した結果、PIAS1は加齢関連T細胞の特徴である疲弊化を誘導し、抗腫瘍免疫活性を制御していることが明らかになった。
免疫学
翻訳後修飾のT細胞疲弊化への関与は不明であったが、本研究ではユビキチン修飾系がT細胞を介した免疫老化の誘導に関与していることを明らかにした。老化に伴うT細胞の疲弊化は抗腫瘍免疫の低下を招くことから、疲弊化の予防や解除方法の開発は重要である。本研究より得られた知見は、ガン治療戦略の確立に際してユビキチン化のプロセスが、メモリーT細胞における新規の創薬ターゲットとなりうる可能性を示唆している。