本研究ではトロゴサイトーシスにおけるLFA-1の役割を解析した。その結果、トロゴサイトーシスはT細胞を抗原刺激することにより亢進し、LFA-1に対する抗体により阻害された。また、CD98抗体による架橋を介したLFA-1の活性化によってトロゴサイトーシスが亢進した。病態におけるトロゴサイトーシスの寄与を解析するため、癌原発巣におけるトロゴサイトーシスを解析した。その結果、腫瘍浸潤CD8T細胞ではCD98が発現亢進するとともにCD80.86がトロゴサイトーシスによる分子獲得が起こっていた。このCD8T細胞は免疫抑制性を示しており、トロゴサイトーシスの阻害により、癌の進展が抑制されることが分かった。
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