DNA修復の程度を白血病細胞株を用いて検討を行った。急性骨髄性白血病細胞株(HL60)では、殺細胞性抗がん剤とPARP阻害薬との併用で、DNA修復の阻害が認め られた。また、急性リンパ性白血病でも同様に殺細胞性抗がん剤とPARP阻害薬との併用で、DNA修復の阻害がコメットアッセイにて確認された。さらに、miR-145 を欠損しているHL60細胞を用いて、殺細胞性抗がん剤とTGFβ阻害剤での併用効果の検討を行った。TGFβ阻害剤単独での投与では、HL60細胞の増殖を誘導し、ま た殺細胞性抗がん剤との併用では抗腫瘍効果の減弱がみとめられた。shRNAを用いて、CUX1低発現系の細胞株を樹立し、クローン選択を行った。CUX1低発現細胞株では腫瘍の増殖が抑制される傾向にあった。これらのCUX1低発現細胞における、TGF-β阻害薬の併用を行い、現在DNA修復機構の評価を行っている。さらに、これらのCUX1低発現骨髄系腫瘍細胞が高感受性を示す候補薬剤の感受性試験を実施中である。
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