本研究では、細胞内で新しく作られたタンパク質の構造形成に関わる酵素の一つと考えられているが未だ詳細な機能に関して不明な点が多いP5について、悪性脳腫瘍と脳内の免疫担当細胞であるマイクログリアとの相互作用に基づいたがん微小環境における機能解析を行った。この微小環境下において悪性脳腫瘍細胞からさまざまな影響を受けることが知られているマイクログリア細胞内でP5は、炎症性サイトカインIL-6の産生に重要な役割を担うと予想される研究結果を得た。本研究により、今後悪性脳腫瘍における新たな標的分子や治療薬開発のための微小環境を標的にしたさらなる研究が進むと予想される。
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