研究実績の概要 |
バーコード化された約6,500種類のヒトタンパク質に対する約55,000種類のshRNAを含む、ヒトゲノムワイドshRNAライブラリのモジュール#2(標的遺伝子:疾患関連遺伝子、薬剤標的遺伝子)を、細胞内death domain欠損DR5タンパク質とGFPの遺伝子をタンデムに繋いでTRAIL耐性HeLa細胞株に移入した、DD-deleted DR5-GFP/HeLa細胞に遺伝子導入した後、FACSソートを繰り返して得られた、細胞膜DR5発現が有意に高い細胞集団:csDR5と、shRNAを同じ細胞株に導入後、1回のFACSソートで核内DR5発現が高い細胞集団:nDR5をコントロールとして、遺伝子受託解析を行った。 細胞集団nDR5に比べて細胞集団csDR5では、細胞膜からエンドゾーム、エンドゾームからトランスゴルジ装置、細胞質から核膜と核膜孔及び核内への細胞内輸送に関係するタンパク質の有意な発現低下が見られ、それらのタンパク質の中から、有意差が大きかった分子と、同じタンパク質に対して複数のshRNAが検出され、有意差も大きかった分子の計11分子にターゲットを絞り、当初用いたshRNAとは異なる遺伝子配列でタンパク質の発現を抑えるsiRNAを用いて、各々の分子を単独で、または機能の似た分子を組み合わせて、或いは、機能の異なる分子を組み合わせてDD-deleted DR5-GFP/HeLa細胞でノックダウンを行い、DR5の局在を解析した。単一の分子のノックダウンで、一斉にDR5の局在が核から細胞膜に変化する分子はなかったが、分子を組み合わせてノックダウンした際に、DR5の細胞膜への局在変化が見られた。その組み合わせを見ると、2つの共通する分子があり、1つがSUMO2、もう1つがAP2α2であった。 タンパク質がSUMO化されると核内に移行する例が知られており、現在詳細を解析中である。
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