研究課題/領域番号 |
19K07648
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
小島 裕子 順天堂大学, 大学院医学研究科, 助教 (60231312)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Tumor cells / Cell deth / DR5 / Localization / Nucleus / Intracellular transport / Cancer therapy / SUMOylation |
研究成果の概要 |
TRAILと細胞膜で結合して腫瘍細胞に対して細胞死を誘導するDR5が、TRAIL抵抗性ヒト腫瘍細胞株では主に核に発現して細胞死を免れ,インポーチン(Imp)β1を介する経路で核内に運ばれることを基に、ヒト腫瘍細胞移植マウスでImpβ1を抑制し、腫瘍を拒絶することに成功した。更に、DR5が核に発現する際の調節分子を同定すべく、ヒトshRNAライブラリをTRAIL抵抗性ヒト腫瘍細胞株に遺伝子導入後、コントロール細胞に比べて有意に細胞膜DR5発現の高い細胞集団を濃縮し、その鍵となる分子を絞り込んだ。腫瘍細胞がTRAIL抵抗性になる理由の一つに、DR5分子のSUMO化が関係している可能性が考えられる。
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自由記述の分野 |
腫瘍生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
正常細胞には細胞死を誘導せず腫瘍細胞にのみ細胞死を誘導する、TRAIL分子のレセプターであるDR5分子は、試験管内だけでなくマウスの生体内でも、インポーチンβ1分子を抑制することでDR5の核内への移行を抑制して、生着したヒト腫瘍細胞に細胞死を誘導して腫瘍を拒絶できることがわかった。従って、TRAIL抵抗性の腫瘍細胞に対して、DR5の核内移行を抑制する薬物は、分子標的がん治療の一つになる可能性が考えられる。また、DR5の核内移行への関与が示唆された、DR5タンパク質のSUMO化についても、腫瘍細胞に対してそれをコントロールすることができれば、がん治療の分子標的になる可能性があるだろう。
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