研究課題/領域番号 |
19K07668
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
大里 元美 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特定研究員 (90314286)
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研究分担者 |
指田 吾郎 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特別招聘教授 (70349447)
岩崎 正幸 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70790913)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 白血病 / トランスレーショナルリサーチ / 分子標的治療 / ITGA9 / 抗体医薬 / がん幹細胞 |
研究成果の概要 |
白血病(成人)の治療成績は化学療法および造血幹細胞移植により改善されたものの、まだ5年生存率は50%以下であり副作用も多く新規治療法の開発が必要である。本研究では、RUNX転写因子異常に起因する白血病(RUNX白血病)においてITGA9過発現が新規の有望な分子標的となりうる可能性を検討した。白血病幹細胞細胞はITGA9過発現により、本来なら骨髄微少環境(ニッチ)からしか受け取れないシグナルを、ニッチから離れた状態でも可溶型遊離リガンドと十分結合することで受け取れるようになっていた。抗ITGA9抗体によるこの白血病幹細胞維持機構の遮断は新たな治療戦略として期待されることが本研究により示された。
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自由記述の分野 |
腫瘍生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
白血病に対する治療成績は依然として満足できるものではなく、大量の抗癌剤使用による副作用も大きな問題である。一方で、白血病発症分子機序に基づく分子標的治療[慢性骨髄性白血病に対するイマチニブ、前骨髄球性白血病に対するレチノイン酸(ATRA)など]は、ほぼ100%に迫るかのような劇的な奏功率と、化学療法のそれと比べるとほとんど問題にならない程度の副作用で治療現場を大きく変えた。今回、本研究で同定されたインテグリンアルファ9(ITGA9)高発現は白血病幹細胞の維持に極めて大事であり、抗ITGA9抗体によるその維持機構の遮断は残存白血病細胞の駆逐排除に有用な新規分子標的治療法として期待される。
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