これまでに我々は、肺がんにおいて機能するmiR-20aの標的lncRNAを探索し、機能未知の新規lncRNAを同定した。このlncRNAはp53の発現を抑制することからTILR (TP53-inhibiting lncRNA)と命名し、その作用機序について検討を重ねた。TILR結合タンパク質はin vitroプルダウンアッセイを用いて探索・同定し、TILRによる肺がん細胞の生存制御機構は、網羅的な遺伝子発現解析ならびにパスウェイ解析により、DNA損傷応答能における重要性を明らかにした。本研究成果は、難治がんのひとつである肺がんに対し、TILRを標的とした治療法の開発に道を拓くものと期待される。
|