研究課題
食道癌細胞株においてmtDNAコピー数変化によってEMTが誘導されるかを検証した。ミトコンドリア転写因子A(TFAM)をshRNAでknockdown(KD)し、mtDNAコピー数減少細胞株を樹立した(TE8:約40%、TE11:約60%)。遺伝子発現についてRT-PCR法およびWBを施行すると、TFAM-KD細胞ではE-cadherinの低下、N-cadherin / vimentin / zeb-1の上昇が見られた。さらにMatrigel-invasion assay、Scratch-wound healing assayを行ったところ、TFAM-KD細胞は浸潤能、遊走能が有意に亢進していることを確認した。つぎに、食道癌細胞株で化学療法によってマイトファジーが活性化しているかを確認したところ、WBにおいてPINK-1の発現が亢進していることが分かった。また、その際、ミトコンドリアの膜に存在するTOM20は化学療法の暴露により経時的に減少することを確認した。一方化学療法によって、mtDNAコピー数は、一過性増加ののち、減少することを確認した。また、その際の膜電位の変化を検討したところ、抗がん剤短期暴露では、一過性に膜電位が増加していた。一方抗癌剤の慢性暴露によって膜電位は低下することが分かった。膜電位をCCCPにより人為的に低下させることで、EMTが誘導されることを確認した。また、DNMTの発現増加し、メチル化が増加していることが分かり、核DNAとmtDNAの間にDNMTが重要な役割を果たすこと突き止めた。DNMT阻害剤をTE11-shTに暴露すると、 E-cadherinの発現増加、N-cadherin・Vimentinの発現低下およびCDDP感受性の改善を認めた。
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