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2019 年度 実施状況報告書

CAR-T細胞選択的な増殖・生存制御システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K07714
研究機関自治医科大学

研究代表者

内堀 亮介  自治医科大学, 医学部, 講師 (20458285)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード選択的制御遺伝子 / SRG / キメラ抗原受容体 / CAR / B細胞性リンパ腫 / B細胞性リンパ腫 / 多発性骨髄腫
研究実績の概要

キメラ抗原受容体(CAR: chimeric antigen receptor)発現T細胞療法が開発され、特にCD19抗原特異的CAR-T療法がB細胞性腫瘍に対して驚異的な治療効果を発揮し、大きな注目を浴びている。しかしながら、長期フォローアップでは治療成績は決して満足のいくものではなく、CAR-T細胞の体内増幅と生存を高めるための研究開発が活発化してきている。本研究では、新規のアプローチとして、投与したCAR-T細胞の体内増幅や生存を選択的に制御するための選択的制御遺伝子(SRG: selective regulatory gene)の開発を行った。
本年度はCD3ζ鎖と副刺激分子(CD28、4-1BB)を組み合わせたSRGを作製した。このSRG分子を発現させるためのレトロウイルスベクタープラスミドにサブクローニングし、293細胞を用いた一過性ウイルスベクターの作製およびパッケージング細胞株PG13細胞を利用したウイルス産生細胞株を樹立した。また、CD3ζ鎖のリン酸化部位に変異を導入したCD3ζ鎖を利用したSRG分子も構築し、ウイルス産生細胞株を樹立した。
健常者ボランティアから末梢血T細胞を採取し、SRGを遺伝子導入した健常者由来のT細胞を用いて、EPO刺激による増殖効率を測定した。また、細胞の増殖や生存に関わるシグナル伝達系の解析を行ってSRGの候補分子のスクリーニングと構造の至適化を進めた。そして、疲弊および老化分子発現解析、FOXP3発現解析、およびT細胞サブセット解析のためのマルチカラーフローサイトメトリーパネルを構築し、次年度から実施するSRG搭載T細胞の機能解析に向けた体制を整えた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

CD3ζ鎖と副刺激分子(CD28、4-1BB)を組み合わせたSRGを作製した。このSRG分子を発現させるためのレトロウイルスベクタープラスミドにサブクローニングし、293細胞を用いた一過性ウイルスベクターの作製およびパッケージング細胞株PG13細胞を利用したウイルス産生細胞株を樹立した。健常者ボランティアから末梢血T細胞を採取し、SRGを遺伝子導入した健常者由来のT細胞を用いて、EPO刺激による増殖効率の測定し、細胞の増殖や生存に関わるシグナル伝達系の解析を行ってSRGの候補分子のスクリーニングと構造の至適化を進めた。また、疲弊および老化分子の発現解析、FOXP3の発現解析、およびT細胞サブセット解析のためのマルチカラーフローサイトメトリーパネルを構築し、次年度から実施するSRG搭載T細胞の機能解析に向けた体制を整えた。本年度中計画していた内容についてほぼ実施することができた。

今後の研究の推進方策

SRGとCARを2A配列で連結して1つのレトロウイルスベクターに搭載したプラスミドを構築し、パッケージング細胞株PG13細胞を利用したウイルス産生細胞株を樹立する。SRGとCARをT細胞に遺伝子導入し、EPO刺激によるin vitroでの増殖効率の測定やシグナル伝達系の解析を行い、従来法で作製したCARとの違いを比較する。また、疲弊および老化分子の発現解析、FOXP3(Treg)の発現解析、およびT細胞サブセットについて、健常者由来T細胞と各疾患由来T細胞間の比較、SRGの有無による比較を進める。そして、前年度に引き続き、実験に使用する末梢血T細胞の採取・凍結保存を実施する。

次年度使用額が生じた理由

SRG分子の構築が想定していたよりも順調に進んだため、物品費の購入および遺伝子配列解析の外部委託費に差額が生じた。生じた次年度使用額については、次年度実施のSRG分子の構築に必要な物品費および遺伝子配列解析の外部委託費として使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Analysis of RetroNectin-Mediated T-Cell Activation on Expansion and Phenotype of Chimeric Antigen Receptor T Cells2019

    • 著者名/発表者名
      Ryosuke Uchibori、 Ken Ohmine、Junichi Mineno、Keiya Ozawa
    • 学会等名
      The 10th Meeting of ACTO
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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