研究課題/領域番号 |
19K07721
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
武田 真幸 近畿大学, 医学部, 講師 (20510928)
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研究分担者 |
西尾 和人 近畿大学, 医学部, 教授 (10208134)
坂井 和子 近畿大学, 医学部, 講師 (20580559)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 次世代シーケンサー(NGS) / VUS / 機能解析 |
研究実績の概要 |
がん遺伝子パネル検査は、複数のゲノム変異が同時に検出可能な次世代シークエンサーを用いて、個々の人に対するがんのゲノム変異を明らかにし、その特性に応じた最適ながん治療の機会を供与することを目的とする検査である。遺伝子パネルには、薬物療法の有効性、確定診断及び予後予測に係る既知の遺伝子が含まれ、遺伝子変異、欠失、挿入、遺伝子融合、コピー数異常等の情報を一度に明らかにすることが可能である。近畿大学がんクリニカルシーケンスに於いても、知識データベース上に記載の無い遺伝子変異(variant of uncertain significance: VUS)が散見され、それらの遺伝子変異の生物学的意義は不明である。我々は、機能未知遺伝子変異に着目し、その変異が分子標的薬の標的となりうるActionableな変異であるかを証明することで、今後遺伝子パネル検査が保険承認される際に、薬剤導入の根拠となり得る。 近年の分子生物学の進歩により、がん細胞の悪性形質獲得に関連のある複数の遺伝子が同定されるようになった。「1遺伝子変異1診断薬」の原則では、ドライバー遺伝子数の増加に伴い解析に必要な腫瘍量及び測定時間が増加する為、生検等の微小腫瘍組織からも複数遺伝子を同時に測定可能なマルチ遺伝子診断薬の臨床導入が求められている。近畿大学では、2013年からのNGS解析により機能未知の遺伝子変異が複数同定されており、知識データベースに記載の無い機能未知の遺伝子変異に着目し、その変異導入細胞株を作成し、新規治療標的や薬剤感受性マーカーを探し出し、新しいがん治療の開発に繋げたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
頂いた予算にて、肺癌組織を用いた次世代シーケンサーでの遺伝子変異の解析を既に実施し、機能解析を実施し、論文発表済である(Takeda M, et al. Lung cancer 139, 28-34, 2020. 謝辞記載あり)。
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今後の研究の推進方策 |
【令和元年度】知識データーベースを用いた薬剤感受性に寄与する遺伝子変異の有無の検討非同義遺伝子変異は、以下の手法を用いてフィルタリングを実施した。HapMap (dbSNP)の日本人アレル頻度情報と1000人ゲノムプロジェクトの東アジア人アレル頻度情報やExome Aggregation Consortium(ExAC)データベースを利用することで、somatic mutationかSNPの判別が可能である。Somatic mutationの内、データーベース上VUSの遺伝子変化は、Polyphen 2のソフトを用いることで、機能変化を予測することが可能であった。その変化はEGFR阻害剤の耐性化に影響及ぼすことを報告したTakeda M, et al. Lung cancer 139, 28-34, 2020. 謝辞記載あり)。 【令和2年度以降】日本に於いては、昨年からNCC oncopanel, FoundationOne CDxパネルが承認されたが、機能未知の遺伝子変異VUSが1症例辺り多数同定されている。C-CAT等公共データーベースでは、既知の遺伝子変異に対する薬剤のみの情報提供に留まる為、有用な薬剤情報の提供は限定的である。上記知見で得られた手法を用いて、practiceで遺伝子パネルを運用している症例に於ける遺伝子機能解析を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
一部成果については、既に論文発表を行ったが、左記で得られた手法を用いて、practiceで遺伝子パネルを運用している症例に於ける、さらなる遺伝子機能解析を実施目的に次年度使用額を用いて実施する。
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