• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

EGFR肺がん特異的翻訳産物の機能解析と新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K07724
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

築茂 由則  国立医薬品食品衛生研究所, 遺伝子医薬部, 主任研究官 (40469630)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードリボソームプロファイリング / EGFR / 肺がん
研究実績の概要

アジアでは、上皮成長因子受容体(EGFR)変異陽性の肺腺がんが特に多く発生しており、肺がん死亡の主な原因となっている。我々はこれまでに、EGFR変異導入細胞を用いた発現解析(リボソームプロファイリング)ならびにヒト肺がんデータベース解析により、EGFR変異陽性肺がんで特異的に発現上昇しているタンパク群を同定した。
本研究では、申請者が発見した複数の候補タンパクに関して、診断マーカーとしての有用性や治療標的としての可能性について検討を進めた。
複数のEGFR変異陽性、陰性細胞株の比較実験を行い、プロファイリングで得られた候補タンパク群がEGFR変異陽性細胞株で発現上昇していることを確認できた。また、これらのタンパクは分泌タンパクであり、細胞外小胞の表面に豊富に存在することやEGFR阻害薬処理した細胞では発現量の低下が見られたことから、EGFRを介したシグナル経路を介して発現が制御されていることが示唆された。
さらに候補タンパクの1つをsiRNAによりノックダウンしたところ、EGFR変異陽性細胞で顕著な細胞増殖抑制効果が見られた。また、EGFR阻害薬耐性細胞株を用いてCRISPRによる候補タンパクのノックアウト細胞を構築したところ、親株に比べて増殖が抑制されることがわかった。さらに、候補タンパク特異的なブロッキング抗体で細胞を処理したところ、親株でみられた増殖阻害効果がノックアウト細胞では見られなくなった。
以上の結果から、上記の候補タンパクはEGFR変異肺がんの検出に利用できる可能性を秘めているとともに、治療標的にもなる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Development of Gilteritinib-Based Chimeric Small Molecules that Potently Induce Degradation of FLT3-ITD Protein.2022

    • 著者名/発表者名
      Ohoka N, Suzuki M, Uchida T, Tsuji G, Tsukumo Y, Yoshida M, Inoue T, Demizu Y, Ohki H, Naito M.
    • 雑誌名

      ACS Med Chem Lett.

      巻: 13 ページ: 1885-1891

    • DOI

      10.1021/acsmedchemlett.2c00402.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Development of a potent small-molecule degrader against oncogenic BRAFV600E protein that evades paradoxical MAPK activation.2022

    • 著者名/発表者名
      Ohoka N, Suzuki M, Uchida T, Tsukumo Y, Yoshida M, Inoue T, Ohki H, Naito M.
    • 雑誌名

      Cancer Sci.

      巻: 113 ページ: 2828-2838

    • DOI

      10.1111/cas.15401.

  • [学会発表] Identification of protein X as a potential therapeutic target against EGFR-mutated cancers2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori Tsukumo, Nobumichi Ohoka, Mikihiko Naito, Takayoshi Suzuki
    • 学会等名
      第81回日本癌学会学術総会
  • [学会発表] コンパニオン診断薬の開発状況と規制2022

    • 著者名/発表者名
      築茂由則
    • 学会等名
      化学工学会第53回秋季大会
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi