EGFR変異陽性肺がんは、日本人における肺腺がん全体の約半数を占める。現在、進行性肺がんを対象に、複数のEGRF阻害薬が肺がん治療薬として承認されているものの、それら薬剤への耐性化が問題となっている。本研究で見出したタンパクXは、EGFR変異陽性のがん細胞から豊富に分泌される特徴を有し、かつ、タンパクXの阻害はEGFR阻害薬耐性がん細胞の増殖を抑制することができた。そのため、タンパクXは、EGFR肺がんをより早い段階で発見するためのバイオマーカーや既存薬への耐性を克服するための新たな治療標的となる可能性を秘めている。本研究のさらなる発展により、肺がん患者を救う手立てとなることを期待したい。
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