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2019 年度 実施状況報告書

Live Cell Analyzing Systemによる相動性組換え不全検出

研究課題

研究課題/領域番号 19K07725
研究機関株式会社東芝研究開発センター

研究代表者

川田 滋久  株式会社東芝研究開発センター, その他部局等, 主任研究員 (90575052)

研究分担者 太田 邦史  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90211789)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード相同組換え機能不全 / 乳がん
研究実績の概要

乳がんは、形態学的・遺伝学的特徴から多様なタイプを持つ癌である。本研究では、乳がんの発症機構の一つである「相同組換え機能不全」(Homologous Recombination Deficiency:HRD)について、生細胞を用いて直接検出することにより、新たな乳がんの検出指標として確立することを目指す。
本年度は、HRD検出系の設計および培養細胞株を利用した検証を行った。①HRD検出系は、各細胞がもつHRDの程度を、発光量によって定量化するために、HRDが生じている細胞内で発光量が増加し検出が可能になる新たな検出系を設計した。検出系には、Cre/LoxPシステムを応用し、発光の指標となるLuciferaseを発現するレポーターベクターと、組み換えの指標となるCreを発現するCre発現ベクターの2つを共存させてHRDを検出する。
検出原理は、Luciferase遺伝子の上流と下流にloxP配列を配したレポーターベクターを作製し、Creタンパク質の存在によりLuciferase配列が切り出され発光が減少するように設計した。一方で、Cre発現ベクターは、Cre配列内部をあらかじめ切断し切断部に相同性組み換えが生じる配列を配することで、相動性組み換え能が正常な細胞ではCreタンパク質が発現するように設計した。これにより、正常な相動性組み換え能を持つ細胞に両ベクターを導入した場合、Creタンパク質が発現して、前述のレポーターベクターに作用し発光は生じない。②これら2つのベクターを内包するリポソーム製剤を作製した。Cre発現ベクターとレポーターベクターの最適な量比を確認するために、複数のリポソーム製剤を作製し検討した。③②で作製したリポソーム製剤を、相動性組み換え能がある乳がん細胞株であるMCF-7細胞に投与し発光が減少することを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、HRD検出系の設計と原理検証を行った。当初計画では、相動性組み換えによるLuciferaseレポーターベクターからの発光抑制に対して、Liciferaseの酵素活性を抑制する検出系を設計したが、遺伝子発現を抑制する検出系の方が抑制率が高いことから、一部計画を変更して実施した。これら検出用ベクターを乳がん細胞に効率よく導入するためのリポソーム製剤の作製と相動性組み換え能を持たない株細胞を用いた原理検証を確認しており、研究はおおむね計画通り順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今後は当初の計画通りに計画を進める。
①相動性組み換え過剰発現モデル細胞および相動性組み換え不全発現モデル細胞をを用いて、本検出系の性能を評価する。
②乳がん検体に対して、本検出系を使用し、HRDの指標となるHR関連遺伝子と本検出系の発光量の相関性を解析する。

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公開日: 2021-12-27  

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