内視鏡検査時にリアルタイムで悪性腫瘍を検出するために、糸状の素材(ライン)を用いて組織を採取し、次いで患者体外へと移送する機構を構築した。組織はラインにより質量分析装置へと運ばれるが、そこで抽出とイオン化を同時に行うためのエレクトロスプレーイオン化法を基盤とした新規イオン源の構築も行った。また多数の患者より得られた正常粘膜および大腸がん組織を分析することで構築された組成データベースを、機械学習の一種であるサポートベクターマシンで学習し、悪性腫瘍であるか否かを判別することが可能な診断アルゴリズムを構築した。判別性能を一個抜き交差検証で評価したところ、病理診断との一致率は86%であった。
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