今後の研究の推進方策 |
1. TGF-βおよびVEGFによる細胞浸潤及び血管新生作用に対する分子標的薬の作用及び分子機構を検討する。血管内皮細胞および肝癌細胞株HepG2にSorafenib、RegorafenibおよびLenvatinibを添加し、TGF-β及びVEGFの発現をreal time PCR、TGF-βのシグナル分子(TGF-βRII, SMAD2/3, p15INK4b, ERK1/2,snail, E-cadherin); または、VEGF シグナル分子(VEGFR2, FAK, AKT)をWestern blot、蛍光染色などで解析する。さらに、上述細胞をTGF-βおよびVEGF添加し、分子標的薬による細胞浸潤及び血管新生の影響をAdhesion/migration assay、Wound healing assay 及びAngiogenesis assayで検討する。さらに、TGF-βおよびVEGFシグナル阻害剤を使い、上述のシグナル分子を分析し、TGF-βおよびVEGFのシグナルの間はcrosstalk の有無について検討する。2. ウイルス種が異なる背景を持つ肝癌に対する化学療法の選択性を明らかにする。 HBV、HCVとの関連がある肝癌細胞株HepG2、HuH7、または、それらに関係がない肝癌細胞株HuH6(Clone 5)は、HBV、HCV 及びNBNC肝癌の細胞モデルとして使用する。上述の細胞に分子標的薬を添加し、TGF-βの浸潤性及び細胞死誘導シグナルの分子への影響を実験1の方法で解析する。
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