今後の研究の推進方策 |
これまでの研究結果を踏まえ、今後下記の項目について検討する。 2020年度は主にIntralipidのナノメディシンのoff-targetデリバリー抑制のメカニズムついてin vitroで検討する。1) クッパー細胞におけるナノメディシンの取り込みとIntralipidの影響:クッパー細胞を用い、Intralipid処理後各時点で、蛍光ナノプローブP-PyFを添加し、経時的に蛍光強度から細胞内取り込み量を比較する。同時に、リピッド染色により細胞に取り込まれたIntralipidを観察する。また蛍光顕微鏡により細胞内局在を検討する。2) クッパー細胞の貪食能の評価:FITC標識ラテックスビーズを用い、FACSおよび蛍光顕微鏡によりクッパー細胞の貪食能を評価する。さらに、同法によりIntralipdのクッパー細胞の貪食能への影響(濃度依存性、時間依存性)を調べる。3) 細胞毒性の評価:Intralipid処理後、MTT法により細胞の生存率を測定する。 2021年度は主にIntralipidの併用によるナノメディシンの効果増強をin vivoで各種固型腫瘍モデル(化学発癌モデルを含む)を用い検討する。1) 薬物動態:ナノ抗がん剤SMA-CDDP投与後経時的に血中または腫瘍および正常組織(肝臓、脾臓、腎臓)中の薬物量をICP-MSにより測定する。2) 抗腫瘍効果:Intralipidと各種ナノメディシンとの併用治療後腫瘍体積の変化、転移巣(肺)の数とサイズ、担がんマウスの生存率により検討する。さらに、腫瘍組織を取り組織HE染色などの病理学的検査を行う。3) 副作用評価:治療後動物の体重変化、死亡率を測定する。さらに、血清生化学検査(AST, ALT, BUN, Cr, CKなど)及び血球計数を行い、肝毒性、腎毒性、心毒性、及び骨髄毒性を評価する。
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