本研究は、バイオマーカー探索に非線形分離手法を利用し、これまで見つからなかった精度の高い新規バイオマーカーを効率よく同定する方法を確立することを目的としている。該当年度は、データベースとサポートベクターマシーン(SVM)を利用した線形&非線形分離パターンのバイオマーカーの探索において、使用するデータの選別とデータフィルタリングを目的とした。 大規模データベースから取得した1028がん細胞株の256種類の薬剤感受性データ(http://www.cancerrxgene.org)と957がん細胞株のDNAメチル化データ(http://cancer.sanger. ac.uk/cell_lines)を利用し、SVMを利用した線形&非線形分離パターンのバイオマーカー探索プログラムの作成を行なった。 116症例の食道がん根治的化学放射線治療奏効性情報が有るサンプルを取得し、そのうち 41 症例についてはターゲットシークエンスによる変異解析及びDNAメチル化アレイ解析を行なっている。これらのデータを用い、確立した解析手法を活用して予測バイオマーカーのスクリーニングを行い、上位候補ターゲットと最適モデルを同定した。次に、検証サンプルを用いて、 候補ターゲットのメチル化値を Pyro-sequencing 法または MSP 法により測定した。
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