本研究は、抗がん剤や放射線治療により活性化されるcGAS-STING経路が発がんやがん幹細胞の維持に関与するのか、その機構を明らかにすることを目的とした。その結果、cGAS-STING経路の活性化で産生されるIFN-α/βにより、がん細胞の増殖は抑制されるが、がん幹細胞の維持に関与するoGlcNAc修飾が促進され、さらにPD-L1の発現が亢進されることを明らかにした。さらに、cGAS-STING経路の活性化で同時に産生される、SASPに関与する炎症性サイトカインも、がん幹細胞の維持に関与しており、この経路を阻害するSTING阻害剤H-151ががん幹細胞抑制の標的薬になる可能性を見出した。
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