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再生医療、癌治療、そして遺伝子治療などの分野においてウイルスベクターは、不可欠な役割を果たしている。ウイルスベクターの性能の一つとして期待されつつも困難とされてきた技術の一つが、ウイルスベクターの遺伝子発現や増殖を意のままに操ることである。この技術があれば、不要になったウイルスベクターを簡単に取り除くことができる。また必要な場所、必要な時にだけ増殖させることができ、利便性や安全性が飛躍的に向上する。マグネットという光スイッチタンパク質を麻疹ウイルスまたは狂犬病ウイルスのポリメラーゼに組み込み、青色光で照射された時にだけポリメラーゼが働き、増殖するウイルスを作成した。これにより、遺伝子発現や増殖を思いのままにスイッチオン・スイッチオフできる世界初のウイルスベクターの開発に成功した。また動物を用いた実験で、本ベクターを接種して青色光の照射を受けた癌が、著しく縮小することを確認した。
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