研究課題/領域番号 |
19K07786
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
中村 育夫 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10625312)
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研究分担者 |
波多野 悦朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80359801)
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 特別招聘教授 (90199373)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 転移性肝癌 / 化学療法 / 造影超音波検査 |
研究実績の概要 |
近年、消化器癌は増加し死亡率の上位5位内に大腸癌、胃癌、膵臓癌、肝癌がみられる。 肝転移を伴う消化器癌は通常手術は行わず化学療法を行う。その効果判定には、造影CT,造影MRIを用いることが多い。その際、化学療法前後の腫瘍径が効果判定の基準になる。しかし実際は、腫瘍細胞壊死の程度(viability)が最も重要である。PET-CTは腫瘍の viabilityを判定する検査として用いられることが あるが微少な病変は検出しがたく偽陰性が存在するので、現在のところ腫瘍のviabilityを正確に判定できる検査は開発されていない。 マイクロバブル(ソナゾイド)を用いた造影超音波検査は、造影CT、造影MRIとともに肝腫瘍の診断に用いられている。造影CT、造影MRIに比べ、簡便な検査で腎機能が低下している患者でも使用できる。また、 CTのように被爆しなくてよい。 肝細胞癌において、ソナゾイドを用いた造影超音波 検査がVEGF阻害剤であるsorafenibの治療効果を評価 するのに有用であったとの報告がある (Eric Frampas et al. E ur o p e a n J o u r n a l o f R a d i o l o g y , 2013)。研究代表者らは,肝細胞癌に おいてソナゾイドを用いた造影超音波検査の腫瘍造影パターンにより肝切除後の予後予測が可能であることを報告してきた。 腫瘍は化学療法により壊死すると栄養血管が細く少なくなる。それに伴い、腫瘍壊死に陥ると腫瘍への流入血流量が減少する。よって、腫瘍が壊死すると造影超音波 検査の腫瘍造影パターンの変化と造影効果の低下が予測される。 本研究ではこれらの点を踏まえ、造影超音波検査の化学療法による腫瘍造影効 果の変化とviabilityとの関連性を明らかにし、新しい腫瘍viability判定法を開発する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、転移性肝癌の患者さんに造影超音波検査を手術前と術中に行っている。
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今後の研究の推進方策 |
造影超音波検査での腫瘍輝度の測定方法を確立した。内科と協力し造影超音波検査が行い、症例数を増やす。
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次年度使用額が生じた理由 |
症例が集まらず、予想していた研究費より支出が少なかった。今年使用しなかった研究費については来年度に持ち越して、研究に必要な試薬、物品の購入に使用する予定である。
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