認知症は、高齢者の5人に1人が罹患する恐れのある深刻な脳の疾患である.しかし、認知症に対する根本的な治療法は未だ確立されていない.これまでの研究によって、認知症の発症および病態の増悪には、脳の血流の低下が密接に関係することが分かっている.本研究では、脳の活動時にみられる脳の血管反応性を評価し、認知症の早期発見ならびに予防法の確立につながる基盤データの取得を目的として実施した。また、実験動物を用いて脳血管反応性が低下した際の認知機能への影響を明らかにすることで、脳血管の機能的応答の障害と認知症の発症および進行との因果関係を明らかにすることを目指した。
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