研究課題/領域番号 |
19K07803
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
藤原 寿理 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30569322)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | fMRI / 自信 / 意思決定 / 社会的環境下 |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、意思決定後の自信が社会的環境や不確実性に応じてどう変動するのかを弁別課題を用いて検討した。新型コロナウイルスの影響により予定していた病院施設内でのfMRI実験および遺伝子検査が進まなかったが新規の行動実験を行い、その行動データと既存のデータを用いて解析を行った。 行動実験として新規にゲーム理論の考えを取り入れ、不確実性要素としてリスク(正答の場合は報酬を与える一方、不正解の場合は罰金を課す)を操作した。そのうえで昨年度と同様に、社会的要素として選択後に他者との一致度(自分の解答が少数派なのか多数派なのかを示す)をフィードバックした。この2つのパラメータ(不確実性と社会的環境)をネガティブからポジティブまで操作し、選択に対する自信がプロスペクト理論に準じた損失回避型の変化を示すのかを調べた。
結果、報酬/罰金の金額が増加するほど弁別課題に対する反応時間が全体的に増え、さらに正答率がやや上がる被験者がいることが明らかとなった。一方で社会的環境や不確実性に対して意思決定自信が全く影響されない被験者もいた。さらに、報酬/罰金の金額が増加するほど社会的環境にも影響を受けやすい(少数派の場合に自信が下がり、多数派の場合に自信が上がる)傾向がやや見られた。従って不確実性と社会的環境の間に関係性があることが示唆された。上記の結果は10名の行動追加実験により示されており、個人差の検討には未だ被験者数が足りないことが懸念されるため、今後被験者数を増やし検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響で病棟でのfMRI実験が進まず脳活動データの収集が順調には行えなかった。初年度に収取したデータを基に解析を進めたが、北米神経科学会も中止のため参加できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
コロナの状況をみながら行動実験を中心にデータを増やし、遺伝子検査以外での個人差の検討を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた病棟内でのfMRI実験および遺伝子検査が新型コロナウイルスのために行えなかった。
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