研究課題/領域番号 |
19K07808
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
細川 まゆ子 順天堂大学, 医学部, 助教 (70582013)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | フッ素 / ASD / 行動試験 |
研究実績の概要 |
【研究の目的】妊娠期に井戸水や土壌に含まれているフッ素を摂取することで、胎盤を通過し胎児期の胎児期の脳に影響を及ぼす可能性がある。本研究では、妊娠期のフッ素摂取による仔のASDの発病の可能性とそのメカニズムについて明らかにすることを目的とした。【研究実施計画】平成31~令和元年前半は、フッ素入り飲料水(5-30ppm)をICR系マウス週齢の雌雄に自由摂取させ、8週齢で交配を行った。出産した仔(F1)は21日目に離乳し雌雄に分け、同腹仔で飼育し親と同様の濃度のフッ素入り飲料水を自由摂取させた。餌・水の摂取量、体重等健康状態を確認した。雌雄共に8週齢を迎えた際、①オープンフィールド試験を行い、移動距離、立ち上がり回数、常同行動、中央区画滞在時間および排便・排尿回数を測定した。新奇環境における自発的活動性や不安様行動などを評価した。 ②高架式十字迷路:装置の中央にマウスを置き、オープンアーム、クローズアームへの滞在時間を測定した。オープンアームを避ける程度によって不安行動を評価した。③バーンズ迷路:装置に1匹ずつマウスを乗せ、逃避箱までの到達時間とエラー数を測定した。5日間の学習獲得テスト終了の翌日、プローブテストを行い、記憶学習能力を評価した。試験終了の翌日、マウスの中脳、小脳、海馬を摘出し-80℃で保存した。令和元年前半~2年度はマウス1匹あたりの出産数が少ない群もあったため、再度交配を行い、1年目と同様に行動試験を行い、脳の各部位の摘出を行った。行動試験については解析を行い、群間での比較と雌雄差について評価した。令和3年度~現在はF2マウスにF1と同様の試験を行った。脳の各部位のセロトニンについては現在解析中である。本成果については日本衛生学会学術総会と33rd International Congress on Occupational Healthで発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
①F1、F2の行動試験については解析が終了し、学会発表を行ったが、中脳、小脳、海馬のセロトニンについては解析中であり、論文の投稿ができていない。 ②水銀や鉛の混合曝露についての行動試験ができていない。
|
今後の研究の推進方策 |
研究を延長したため、令和4年度はこれまでのデータについて学会発表と論文投稿を行い、水銀や鉛の混合曝露についても行動試験を進めていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究が遅れているため、延長を行った。今年度は、学会発表、論文投稿および実験に使用する予定である。
|