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2020 年度 実施状況報告書

薬理学的脳機能画像法と経頭蓋直流電気刺激法による痛みの共感に関する神経基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K07809
研究機関日本医科大学

研究代表者

池田 裕美子  日本医科大学, 医学部, 講師 (10386154)

研究分担者 舘野 周  日本医科大学, 医学部, 准教授 (50297917)
肥田 道彦  日本医科大学, 医学部, 准教授 (60434130)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード痛みの共感 / 機能的磁気共鳴画像法 / トラマドール
研究実績の概要

共感は、重要な社会的認知機能の1つである。ヒトは、他者が喜びや悲しみといった情動および痛みのような感覚をどのように感じているかを理解することができる。近年、痛みの共感の障害が、神経障害性疼痛を始めとする様々な疾患で現れることが報告され、痛みの共感の神経基盤を解明する研究が活発に行われている。これまで痛みの共感に関する神経画像研究が行われているが、痛みの共感の神経基盤について一貫した見解は得られていない。本研究の目的は、薬理学的手法を使って、痛みの共感に関わる脳内ネットワークを特定することである。
本年度は、薬理学的手法によって修飾される脳領域を特定するために、健常成人にオピオイド鎮痛薬であるトラマドールを服用させfMRI検査を行い、取得したデータを使用して脳画像解析を行った。fMRI検査では、被験者に他者が痛みを伴うような傷害を受けている画像と対照画像を呈示した。脳画像解析では、対照画像を見ている間の脳活動と比較して、他者が痛みを伴うような傷害を受けている画像を見ている間の脳活動が有意に増加している脳領域を、痛みの共感で活動する脳領域として評価した。プラセボを対照に検査を行い、薬物によって修飾される脳領域を評価した。その結果、痛みの共感では、プラセボおよびトラマドールによって、島皮質、前部帯状回、下頭頂小葉の活動がみられた。プラセボとトラマドールを比較したところ、プラセボと比べてトラマドールのほうが、下頭頂小葉の活動が有意に減少した。現在、この結果を踏まえて、下頭頂小葉に直流電流で刺激する経頭蓋直流電気刺激法(tDCS)を行い、fMRI検査によって特定された脳領域の検証を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の影響によりfMRI検査を中断した期間があったため。

今後の研究の推進方策

薬理学的手法によって特定された痛みの共感に関わる脳活動にtDCSを使用して修飾させ、主観的な痛みの共感の変化を調べる。本年度の結果より、下頭頂小葉をtDCSで刺激し、fMRI検査によって特定された脳領域の検証を行う。このような検証を行うことによって、痛みの共感における神経基盤を明らかにすることを計画している。

次年度使用額が生じた理由

被験者の謝金を計上していたが、新型コロナウイルス感染症の影響によりfMRI検査を中断した期間があったため、次年度使用額が生じた。次年度は、今年度予定していた分を含めて検査を行う予定であり、被験者の謝金に使用する計画である。

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公開日: 2021-12-27  

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