私たちヒトの社会的コミュニケーションを支える顔の視覚認知処理の神経機構は、腹側視覚皮質を中心に理解が進められてきた。一方、これまで情動に関連する脳領域とされてきた扁桃体が、短潜時で顔検知が可能であると報告されるなど、顔認知情報処理に重要な役割を果たす可能性が示されている。扁桃体は腹側視覚野とどのように協調して、顔の視覚情報処理を実現しているのだろうか? 本研究はこの問いについて、脳の回路の機能操作とその結果の分析により、知覚、神経情報処理、神経回路の3つの側面から統合的かつ帰納的な解を与えることに成功した。
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