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2020 年度 実施状況報告書

虚血による神経細胞死をフェロトーシスとして捉える

研究課題

研究課題/領域番号 19K07814
研究機関群馬大学

研究代表者

久保田 知里  群馬大学, 食健康科学教育研究センター, 研究員 (90750638)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード脳虚血 / フェロトーシス / 脂質過酸化
研究実績の概要

脳虚血による神経細胞死は活性酸素種の関与や酸化脂質の蓄積が知られ、2012年に提唱された新規細胞死「フェロトーシス」に特徴が似ている。フェロトーシスは鉄依存性の細胞死で、アポトーシスをはじめとする従来の細胞死とは異なる形態を示す。
本研究では、虚血性細胞死の培養細胞モデル(マウス海馬由来HT22細胞)を解析し、フェロトーシス実行に必須の脂質膜の過酸化連鎖反応を明らかにする。また新規マーカーを用いてマウスの脳虚血モデルを解析し、神経組織におけるフェロトーシス細胞死を確認する。脳虚血性神経細胞死の理解が進めば、脳梗塞をはじめとする脳神経疾患の予防や治療法の開発に繋がると期待できる。
これまでの研究において、グルタミン酸負荷で誘導される虚血性神経細胞死は、多価不飽和脂肪酸に酸素を添加する酵素や細胞内遊離鉄、そして脂質膜過酸化(Lipid-ROS)などが関与することを示し、多くの点で鉄依存性細胞死フェロトーシスと一致することが判明している。そこでフェロトーシス阻害剤がin vivo において虚血による神経細胞死を阻害するかを検討する。本年はマウスを用いて中大脳動脈永久閉塞モデルを作成し、培養細胞のフェロトーシス解析で見出した阻害剤(低分子化合物)の脳保護効果を検討した。現段階で、コントロールとして用いた臨床実績のある薬剤MCI-186(エダラボン)と比較しても遜色ない脳保護効果が得られている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

培養細胞を用いた実験、マウスのモデルを用いた実験ともに順調に進んでおり、詳細な解析に向けて準備を進めている。

今後の研究の推進方策

引き続き、マウスを用いてフェロトーシス阻害剤の効果の検討と虚血部位の形態学的解析を行う。また、マウスの脳虚血モデルでフェロトーシス関連遺伝子の発現や網羅的な質量分析などを検討する。

次年度使用額が生じた理由

今年度予定していた実験は概ね順調に遂行できたが、類似研究との共通消耗品もあり効率的に研究が進められたため次年度使用額が生じた。次年度もマウスを用いた実験を予定しており、そこで実行予定の網羅的質量分析等に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 膵β細胞におけるインスリン分解機序の追跡2020

    • 著者名/発表者名
      鳥居征司、侯 ニ、久保田知里、竹内利行
    • 学会等名
      第93回日本生化学会大会

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公開日: 2021-12-27  

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