研究課題/領域番号 |
19K07828
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
中山 留美 (直野留美) 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (00609034)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 痒み / 神経ペプチド / 痛み |
研究実績の概要 |
痒みの伝達は、既存の痒み分子(GRP(gastrin-releasing peptide receptor;ガストリン放出ペプチド受容体)に痒み伝達の情報が集約され、脊髄より上位の脳の痒み伝達経路へと情報が伝達され、一連の痒みの伝達経路となると推測されている。しかしながら痒みは多様な病態によって引き起こされる不快な感覚の一つであることから、痒みの程度や、皮膚組織への損傷の程度によって、痒みの病態が異なることが知られている。従って、既存の痒み分子以外の新たな痒み伝達に寄与する分子が痒みの伝達に寄与し、複雑な痒み伝達機構に寄与することが推測されている。そのうえ、既存の痒み分子との関連性を解明することもまた、複雑な痒み伝達機構の解明につながることが期待できることから、いまだ解明されていない痒みの病態の解明へとつながることが期待できる。そこで、これまでの研究により、オーファン受容体GPR83が脊髄における痒みの伝達に寄与することを示唆する結果を得ているが、どの痒みの病態に寄与するかについては、不明なままである。そこで、どのような痒み刺激に応答するのか、詳細に行動学的な解析を進めることで、多様なかゆみ刺激に対するこの分子の関連性について明らかとした。さらに、痒みは痛みと類似する体性感覚であることから、「痛み」と「痒み」の伝達経路の違いがどのように区別されるのかについては、実験試薬の作製が当初の計画通りに進まなかったため、実験に一部遅れが生じている。そこで、この検討については、次年度に評価を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
形態学的な解析に必要な抗体を受託作製し、その抗体を用いた形態学的な解析を進めている。しかしながら、標的とする痒み分子の発現様式をより詳細に示す必要があるため、新たな手法での形態学的解析が必要となった。 そこで、この評価に用いる試薬は、納期まで多くの期間を要したため、当初の予定する計画から遅れが生じている。 しかしながら、次年度には一定の成果を得られるよう、さらなる解析を進める。
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今後の研究の推進方策 |
痒みの伝達には末梢神経や中枢神経およびその周囲の組織において、多様な分子が複雑に関与することでその伝達機構が成立すると考えられている。 そこで、痒み受容体およびその伝達に寄与する分子が痒み伝達機構にどのような役割を果たすのか、より詳細な検討が必要となる。従って次年度は、痒み伝達に寄与する受容体および関連分子が皮膚組織および中枢神経系における関与を明らかとする。さらに、痒みは痛みと類似する不快な感覚であることから、痒みモデル動物を用いてその不快な程度を評価する方法を検討することで、痒みの病態の解明につなげていきたい。具体的には、痒み分子の挙動など、生化学的な解析および痒みモデルを用いた行動学的な解析にて進める。 さらに、既存の痒み分子(GRP(gastrin-releasing peptide receptor;ガストリン放出ペプチド受容体)と現在評価を進めている痒み分子との痒み伝達経路における役割の違いについても生化学的解析を用いることで、その機能を明らかとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
形態学的な解析に用いる試薬が当初の予定より、大幅に遅れての納期となったため、昨年度までに追加の試薬が購入できなかった。そこで、次年度には計画する評価項目を全て進行させ、一定の成果が得られるように努める。 さらに、次年度には、申請時に購入を予定する、マウス行動解析機器の拡張ユニットを導入することで、さらなる検討を進める。
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