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2023 年度 実績報告書

痒み治療薬の開発に向けたGPR83と痒み伝達分子の役割

研究課題

研究課題/領域番号 19K07828
研究機関東北医科薬科大学

研究代表者

中山 留美 (直野留美)  東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (00609034)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード痒み / 神経ペプチド / 受容体 / 脊髄 / 診断薬
研究実績の概要

かゆみは痛みに似た不快な体性感覚であり、脊髄を介して脳に伝達される。最近の研究で、神経系におけるかゆみの伝達に神経ペプチドが関与していることが明らかになった。具体的には、GRP(ガストリン放出ペプチド)とNppb(ナトリウム利尿ペプチドB)がC線維を介してそう痒伝達物質として働く。また、脳内のオレキシンがそう痒伝達に関与していることも報告されることから、神経ペプチドが痒み伝達系に寄与する可能性が高い。そこで、神経ペプチドのタキキニンペプチドファミリーに注目し、研究を進めた。タキキニンペプチドは数種類のペプチドを含むファミリーペプチドであり、その代表がサブスタンスP(SP)である。SPはかゆみや痛みの伝達に関与することが知られている。他にニューロキニンB(NKB)が神経系で痒み伝達に寄与する報告もあることから、痒み伝達におけるタキキニンペプチドの役割を明らかとすることが、新たな痒み経路の解明につながる可能性がある。
タキキニンペプチドファミリーにあるSPのホモログのヘモキニン-1(HK-1)がかゆみや痛みの伝達に関与しているという報告はない。そこで我々は、HK-1とその受容体が痒みの伝達に果たす役割について検討した。HK-1受容体欠損マウスの行動学的解析の結果、痛み刺激に対する反応には差がなかったが、かゆみ刺激に対する反応は野生型マウスに比べて有意に低下していた。この発見は、HK-1受容体がかゆみの伝達に関与していることを示していると示唆される。また、既存の神経系における痒み伝達経路のGRPやNppbを介する痒み伝達経路との関連性についても検討することで、HK-1受容体を介した痒み伝達経路の新たな機能を明らかする糸口となる可能性が期待できる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 痒み伝達におけるタキキニンペプチドの役割2023

    • 著者名/発表者名
      中山-直野 留美, 安保 明博 , 生田 和史 , 上条 桂樹 , 船橋 英樹
    • 雑誌名

      アレルギーの臨床

      巻: 43 ページ: 647-650

    • 査読あり
  • [学会発表] 疼痛および掻痒の伝達系におけるタキキニンペプチドの役割2024

    • 著者名/発表者名
      中山-直野 留美, 生田 和史, 安保 明博, 原田 龍一, 中村 正帆, 船橋 英樹, 岡村 信行
    • 学会等名
      第101回 日本生理学会
  • [学会発表] 神経ペプチドのエンドキニン類の生理学的機能2023

    • 著者名/発表者名
      中山-直野留美 , 安保 明博 , 船橋 英樹
    • 学会等名
      第46回 日本神経科学会

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公開日: 2024-12-25  

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