マウスの大脳皮質神経細胞には、出生直後に、環境ストレスに対して脆弱となる「臨界期」が存在することが示唆されている。一方、一次繊毛は、マウス大脳皮質の神経細胞において、胎生期にはまだ殆ど存在せず、出生後、ストレス耐性の臨界期が終了する頃までに成熟することが知られている。そこで、臨界期中に環境ストレスを与えた一次繊毛欠損マウスの大脳皮質の第5層神経細胞を調べたところ、斑点状の活性型カスパーゼ3が、特に大脳皮質の第5層の神経細胞に多数検出されることを見出した。さらに、IGF-1受容体が大脳皮質の神経細胞の一次繊毛膜上に集積し、PI3K/Aktシグナル伝達経路が活性化されていることを明らかにした。
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