研究課題
基盤研究(C)
神経変性疾患パーキンソン病の発症機序解明のため、原因遺伝子間の相関解明を試み、LRRK2遺伝子が、他の原因遺伝子と相関することを特定した。また、LRRK2を含む複数の原因遺伝子の機能欠失が、酸性オルガネラに局在し、神経伝達物質を含む有芯小胞にも局在するsmall GTPase, Arl8の神経細胞での局在異常を引き起こすことを明らかにした。Arl8のシナプス終末での集積が、有芯小胞の順行輸送の過剰な亢進によるものであり、Rab3, unc-104の関与を明らかにした。
神経科学
本研究結果は、細胞内のオルガネラ動態制御に関わるPD関連遺伝子の相関関係を明らかにし、より中心的な役割を持つ遺伝子としてLRRK2を特定した。さらに、他のPD関連遺伝子の機能欠失単独でも起きるArl8の動態異常に関わる分子機構として、unc-104を介した有芯小胞の順行輸送を特定したことで、この分子機構の正常化がPD患者へのより広範な治療法に繋がること期待できる。適切な治療標的の最適な治療法の特定が難しいPDの研究や新規治療法開発において。順行輸送のさらなる研究やその正常化を可能にする新規薬剤の開発は、PDの新規治療法の発見に繋がることが期待できる。