タウ伝播はアルツハイマー病(AD)の疾患進行の根底機序である。近年この伝播にタウオリゴマーが寄与することが示された。我々は経鼻リファンピシン(RFP)投与の抗タウオリゴマー薬効を報告してきた。本研究では新しいモデルマウスにおいて、タウ伝播に対する経鼻RFPの効果を調べた。野生型ヒトタウを発現し病理はないTau264マウスを用いて、片側海馬にAD患者脳から抽出したタウオリゴマー画分を注入した。RFP投与開始し6ヶ月後の病理と認知機能を評価した。その結果、タウ病理およびその他関連病理が両側性に拡大し、認知機能にも有意な低下が見られた。経鼻RFPはこれら病理の拡大を阻止し、認知機能を正常に維持した。
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