研究課題
脳内に鉄の沈着をきたし、ジストニアやパーキンソニズムなどの神経症候を呈するNBIA(Neurodegeneration with brain iron accumulation)という疾患群が以前から知られている。その病態についてはグリア、ミトコンドリア、リソソームなどの関与が指摘されているが、その原因については未だ謎である。WDR45が原因遺伝子として同定された遺伝生パーキンソン病の脳内にも鉄が沈着することに着目し、病態解明のためにWDR45欠損マウスを作製・解析を実施した。ロタロッドやビーム課題などの行動試験ではWDR KOマウスは早期に運動障害を発症した。そのような運動症状を呈するマウスの病理学的検討ではフェリチンの沈着を優位に認め、VTAを主座とするドーパミン神経細胞死と小脳変性が観察された。
2: おおむね順調に進展している
WDR45ノックアウトマウスを作製し、予定の解析を実施できたため。
引き続きWDR45ノックアウトマウスの解析を継続し、鉄沈着がもたらすミトコンドリアへの影響を明らかにすることにより病態の解明を目指す。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)
Neurobiol Dis.
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