研究課題/領域番号 |
19K07863
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
瀧澤 淳 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70463990)
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研究分担者 |
曽根 博仁 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30312846)
大島 孝一 久留米大学, 医学部, 教授 (50203766)
河本 啓介 久留米大学, 医学部, 助教 (60791481)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | CLL / LEF1 / CLLRSG-01 / CLL-like LPD |
研究実績の概要 |
今年度の研究成果として、CLLRSG-01登録例の予後解析を行い、100例を超える本邦CLLにおける前方視調査研究結果が得られ2021年のiwCLLで発表した。これは新規薬剤が導入される前の本邦CLL多数例の予後が示された貴重な初めての研究結果であり、新規薬剤が導入されるようになった今後の予後解析におけるベンチマークとなるものである。 CLLRSG-01研究登録症例の中で、CD5とCD23が共に発現していてCLLと定義される65例の中で、病理組織によるLEF1発現が認められたのは50例(77%)であり、15例(23%)はLEF1が陰性であった。また臨床的および形態学的にCLLとしか言いようがないがCD5またはCD23の一方または両者が陰性でありCLLと診断できない類縁疾患(CLL-like LPD)16例中5例にLEF1が陽性であった。本邦CLL症例に表面抗原非典型な症例が多い可能性が明らかになり2019年の国際CLLワークショップ(iwCLL)で報告したが、今年度に、CLL-like LPDがmarginal zone lymphoma(MZL)と同一の疾患であるか病理組織検体の免疫組織化学により、IRTA1とMNDAの発現について調べた。しかし大部分が陰性であり、少なくともこれらの分子による確認からCLL-like LPDがMZLである証拠は得られなかった。 現在、当科症例により典型的CLLとCLL-like LPDの網羅的遺伝子解析を計画しているが、COVID-19による受診患者の減少による影響で予定数の症例を集積できず、研究期間を延長することとなった。今後、症例が蓄積し次第、各種解析を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19蔓延の影響で、当院を受診する外来患者の制限があり、症例の蓄積が遅れている。日常業務の負担も増し、十分なエフォートを取ることができなかったことも理由の一つである。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19感染は収束するか不透明であるが、少なくとも重症患者は減っており、通常の診療に戻りつつある。新規症例も増えつつあり、近日中に研究に必要な症例は集積できると考える。すでに集積された症例については研究を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19蔓延の影響で症例の集積が遅れ予定していた遺伝子解析が行えなかったことと、出席を予定していた国際学会がWeb参加になり旅費が発生しなかったため次年度使用額が生じた。 次年度の使用計画としては、行えなかった遺伝子解析を行い、その検査費で使用する予定である。また研究成果を国内外の学会で発表するため参加費に使用する予定である。
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