研究課題/領域番号 |
19K07864
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
石丸 和宏 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (70595446)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 肺線維症 / スフィンゴ脂質代謝 |
研究実績の概要 |
老化肺の一病態である間質性肺炎/肺線維症は指定難病であり、病態解明に基づく新規治療法の早期開発が望まれる。我々は以前に、細胞膜スフィンゴ脂質由来の生理活性因子,スフィンゴシン-1-リン酸 (S1P)の受容体サブタイプ、S1P2が肺線維症を促進する事を報告した。本研究課題では、このS1P2が持つ肺線維症促進作用を、組織・細胞特異的条件付きS1P2欠損マウスを用いて解明する 今年度は前年度に肺線維症モデルを構築できた事に引き続き、樹立したS1P2 floxマウスと肺構成細胞特異的Creリコンビナーゼ発現マウスとの掛け合わせ、ならびにC57BL/6J背景への進行を継続した C57BL/6J系統はヒト疾患のモデルとして使用される遺伝子改変マウスの遺伝的背景として広く使用されているが、今回樹立したS1P2 floxマウスはES細胞を国外組織から輸入し作出されたためC57BL/6J系統ではなく、免疫反応系細胞の反応特性が異なる事が懸念されC57BL/6Jマウスとの戻し交配を行ってからの各種解析が必要であった しかし、非常事態宣言の発令に伴い基礎研究に十分な時間を割く事が困難な状況に陥いり、比較検討しうるコンジェニック系統,目的マウス匹数の確保に手間取り続けた 並列して、Creリコンビナーゼの特異性確認を行った。肺線維症の進行に関係しうる2種の肺構成細胞特異的Creリコンビナーゼ発現マウスと赤色蛍光タンパク質発現マウス(ROSACAG-tdTomato; Jackson Laboratory Stock #007905)が交配されたマウス組織において、対象細胞特異的抗体による緑色蛍光とCreリコンビナーゼの作用により発現した赤色蛍光タンパク質の共局在を検出し、Creリコンビナーゼの標的細胞特異性を確認した
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
比較検討可能な目的マウスの作出に手間取り、進捗は遅れている (マウスの遺伝背景により、免疫反応系細胞の免疫反応特性が異なる事を懸念したため)
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今後の研究の推進方策 |
1. 目的マウス作出,ならびに肺線維症モデルによるS1P2受容体肺構成細胞特異的KOマウスと野生型マウスの比較検討から、疾患関連細胞を特定する 主な比較項目は、前年同様、[肺組織所見(免疫染色含む)][血漿][気管支肺胞洗浄液:BALF性状][肺組織mRNA発現・蛋白質発現・線維化定量]を予定
2. 疾患関連細胞「特定後」の解析 (前年度より同様に継続) 疾患関連細胞群が特定された後は、FACSによる標的細胞回収・解析、初代培養細胞樹立 あるいは細胞株樹立 (遺伝子干渉法による遺伝子欠損細胞作成)し、プロテオミクスの手法を用いた系統的な解析に移る
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次年度使用額が生じた理由 |
比較検討可能な目的マウスの作出に手間取り、系統的なデータ解析までに至らなかったため、次年度への使用額が生じた 疾患関連細胞が特定された後、プロテオミクスの手法を用いて当初の研究計画を推進する
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