研究課題
基盤研究(C)
加齢による肺機能の低下とは異なる間質性肺炎・肺線維症という指定難病があり、特効薬が殆ど無く新薬開発が必要と考えられています。新薬開発の鍵は、「間質性肺炎・肺線維症がなぜ起こるのか?」という病態生理を解明することですが、原因不明な症例が多く見受けられて来ました。今回「スフィンゴ脂質代謝」という生体システムの中でS1P2受容体が肺線維症の病態に関与する可能性を見出しましたが、このS1P2を介する肺線維症病態形成機序は、肺の構成細胞間での複雑な相互作用により制御されている可能性が示唆されました。
内科系臨床医学
本研究成果はスフィンゴ脂質代謝、特に生理活性因子S1Pとその受容体サブタイプという斬新な観点から見いだされた、原因不明(特発性)あるいは薬剤により誘導される肺線維症・間質性肺炎の病態機序解明の糸口と考えられ、肺機能を健全に保ち長寿社会を支える可能性を秘めた画期的な治療薬開発に繋がる重要な情報基盤となる。