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2019 年度 実施状況報告書

細胞外マトリックスの老化が解き明かすトランスサイレチンアミロイドーシスの真の病態

研究課題

研究課題/領域番号 19K07869
研究機関熊本大学

研究代表者

三隅 洋平  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (80625781)

研究分担者 井上 泰輝  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特任助教 (00806408)
増田 曜章  熊本大学, 病院, 助教 (50464459)
植田 光晴  熊本大学, 病院, 講師 (60452885)
山下 太郎  熊本大学, 病院, 特任教授 (90381003)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードトランスサイレチン / アミロイド / 線維芽細胞 / 細胞外マトリックス / 細胞老化 / 組織老化
研究実績の概要

線維芽細胞の細胞老化によるトランスサイレチン分解除去能、アミロイド形成阻止能の変化をin vitroで解析するために、生体内の細胞外マトリックスを模したコラーゲンゲルおよび線維芽細胞株による三次元培養系の作成を行った。トランスサイレチンの分解除去の評価については、トランスサイレチンあるいはアミロイドの定量を行うためにウエスタンブロッティング、ELISA、蛍光免疫染色によるの評価系を確立した。未変性あるいは非アミロイド性凝集体化させたトランスサイレチン(野生型およびV30M変異型)、生理的条件でアミロイドを形成する断片化トランスサイ-チン(81-127ペプチド)、患者剖検組織より抽出したアミロイド線維を培養線維芽細胞に添加し、本細胞がアミロイド線維を取り込む際の経時的な形態変化の観察を行った。また、線維芽細胞の老化の誘導のために、二次元培養条件で線維芽細胞の継代を繰り返し、老化の形質を示す細胞を得た。電子顕微鏡観察、共焦点顕微鏡観察により、凝集体化させたトランスサイレチンおよび断片化トランスサイレチンが線維芽細胞内部に多量のアミロイド線維の取り込まれる像が認められた。また線維芽細胞の各種マーカーとの二重免疫染色では、アミロイドとリソソームマーカーの一部の共局在が認められた。アミロイドが大量に取り込まれた線維芽細胞においてはリソソームマーカーの減少、電子顕微鏡観察では線維芽細胞内構造の著明な変化が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

生体内の生体内の細胞外マトリックスを模した線維芽細胞株とコラーゲンゲルによる三次元培養系を作成、および未変性あるいは非アミロイド性凝集体化させたトランスサイレチン(野生型およびV30M変異型)、生理的条件でアミロイドを形成する断片化トランスサイ-チン(81-127)、患者剖検組織より抽出したアミロイド線維添加による線維芽細胞の形質変化およびトランスサイレチン分解除去能についての評価系については概ね計画通りに進捗しているが、形質の安定化のために更に方法の改善点の検討を進めている。V30M型変異を有するトランスジェニックマウスの老化誘導などモデルマウスの作成も概ね計画通りに進捗しているが、皮膚の老化を安定的に実現するために更に方法の改善点についての検討を進めている。

今後の研究の推進方策

In vivoの実験系において、細胞、組織老化によるトランスサイレチン沈着および分解能の変化についての研究を推進する。まず、ヒト異型トランスサイレチン(V30M)を発現するモデルマウスに対して光老化誘導し、光老化による細胞外マトリックス構成分子の量的、質的変化とトランスサイレチン沈着量との相関を解析する。さらに、野生型マウスの光老化皮膚と健常皮膚にFAP剖検組織より抽出したトランスサイレチンアミロイド線維を注入後、経時的に皮膚組織を回収し、コンゴレッド染色、免疫染色、ELISAによりアミロイドのクリアランス速度の違いの評価を行う。

次年度使用額が生じた理由

トランスジェニックマウスの老化誘導などモデルマウスの作成などの実験の一部を次年度に計画したため、次年度使用額が生じた。

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公開日: 2021-01-27  

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